ようこそ!ボーエ・モーエンセン2256 - 475

約5年前に買えなかった椅子が今日到着しました。

それは、北欧デンマークで産まれたローバック・イージーチェアです。
気取らずに言うと「背の低い安楽椅子」です。
その直線的なデザインに魅かれました。
この椅子は、ボーエ・モーエンセンという家具職人の手によって第二次世界大戦の痛手からようやく立ち直りかけた1956年にこの世に送り出されました。
初登場から半世紀余りの間、紆余曲折はあったそうですが生き延びて、現在でも受注生産というカタチで作られています。
ちなみに、年齢からすると私よりも一年下の弟分という事になります。
その品格・風格ははるかに遠く及びませんが・・・!

この椅子の新品は今では「受注生産」という事で高価かつ納期が随分と掛りますので、中古品を探しましたがやっと見付けた時にはどれも「SOLDOUT」という表示がされていて、ナカナカ交渉すらできませんでした。
そして、今月やっとの事で福岡県の片田舎にあります小さな家具屋さんSOLVANG(ソルベン)でまだ誰も目を付けていないこの椅子を見付けました。
この家具屋さんは、グーグルで検索しても最後の方にしか登場しません。
故に、この「ボーエ・モーエンセン2256」が残っていたのでしょう!

http://solvang.cart.fc2.com/

今日到着したこの椅子を見て、画像で見て勝手に想像していたよりも少~し小振りのサイズが予想外でした。
漠然と、日本人に比べて大柄な北欧の人達が日常使う椅子なので大きい椅子だと思っていました。
しかし、酪農家の協同組合が組合員のために「地元に生えている樫の木を使って、平凡な庶民の家庭でも買える価格に抑えた質の高い日用品として作られた」という経緯を考えるとこのサイズは合理的なのかもしれません。
目指した姿が、都心のシティホテルのロビーに置いてある権威や威勢を誇示するための豪華で巨大な家具ではないのです。

今日到着したこの椅子は、深手は負っていませんが、歳相応の擦り傷や角の欠け等々は幾つか刻まれています。
この椅子が私の元にやってくるまでに受けた疵ですが、大事にされて使い込まれていた事は充分に想像できる疵です。
私もこれから、いくつかの疵を付けてしまうかもしれませんが、大事に使い込みたいと思っています。

そして、多分この椅子は「私よりも長生きするだろう」と思います。
ちなみに、作者ボーエ・モーエンセンさんは58歳で亡くなられました。